TOEFL

TOEFL / IELTS

1. TOEFL/IELTSとは?

海外大学院受験を目指す、もしくは興味のある学生なら必ず聞いたことはあるであろう英語試験、TOEFL(Test of English as a Foreign Language)に関する情報をここでは紹介していきます。TOEFLの概要、種類、受験費用等細かい情報はETS(Educational Testing Service)の公式サイトに詳しく記されているのでそちらをチェックしてください。ここでは、TOEFLが海外大学院留学においてどのような位置付けなのか大学院合格のために何点取る必要があるのか現役の大学院生がどの程度の点数を取って合格を勝ち取ったのか、などを簡単に解説していきます。TOEFLと同様に広く用いられている英語力検定としてIELTSがあり、最近だとIELTS preferredと募集要綱に明記されている大学もありますが(MIT Materials Scienceなど)、ここではアメリカ留学でより主流なTOEFLに関して解説していきます。

2. 出願書類としてのTOEFL

一般的に、TOEFLは学生の選考過程の足切りとして使われるといわれています。各大学の出願要綱をチェックすると選考対象になるための最低点数が明記されています。この足切りの点数は各大学によって異なり、例えばMIT AeroAstroStanfordでは足切りのラインがiBTで100点と設定されている一方、Caltechでは最低点が設定されていません。理系大学院への進学を目指すのであれば100点以上を取っておけばトップスクールも含めて足切りに引っかかることはほぼありませんが、自分の志望する大学の出願要綱を必ずチェックするようにしましょう。大学によっては合計点数だけではなく各項目の目標点数も指定しているところもあります。例えばUCLAだと、足切り合計点数はiBTで87/120ですが、Reading 21, Listening 17, Writing 25, Speaking 24が各項目の最低点となっています。

さらに、合計点では足切りを上回っているものの、Speakingの点数が少し足りないといった場合で大学院に合格した場合などで、入学後に追加で課題が課されることがあります。特にSpeakingの点数が足りない場合、大学院生が担うTeaching Assistant(TA)の業務に支障をきたすということで、英会話のクラスを一学期受けるもしくはTA用の英語試験に合格するといった課題を学部から課されることがあります。合計点だけではなく各項目にも最低点が設定されているかをしっかり確認しましょう。最悪のケースとして、Speakingの点数が足りず大学側がTAのオファーを出すことができず、追加の英語試験に受かるまで給料が貰えない、ということが実際にあります。日本人学生が一般的にスコアを落としやすいSpeakingの項目にも力を入れて対策を練り、足切りラインを超えることを目指しましょう。

もちろん、上記の足切りの点数はあくまで「目安」です。例えば先ほど100点が足切り点数となっていたMIT AeroAstroは、Fall 2018の合格者のTOEFL平均点は111点だったと発表しています。また珍しい例ですが、足切りの点数に届かなくても他の出願書類で評価してもらって合格まで漕ぎ着けたという事例もあります。選考プロセスが進むにつれて、どこかのタイミングで出願先の研究室の教授や学生とSkypeなどで直接話す機会があります。結局は英語もコミュニケーションツールの1つなので、そういう機会にしっかりと自分の英語力を相手に示すことの方が大切です。先ほど述べたSpeakingも含め、まずは志望大学に合格するために必要な点数を調べ、その点数を目標に勉強をしていきましょう。

3. 現役大学院生のTOEFLスコア分布

受験を目指している又は興味のある皆さんが気になるのは、先輩にあたる現役米国大学院生が出願時にどれだけのTOEFLスコアを取っていたのかだと思います。以下のグラフは全米各地の日本人大学院生93人からとったアンケート結果を元にしたものです。

全体93人のうち約半数が100点以上のスコアを出願時にとっていたことがわかります。101-105点が最も多い分布、次いで96-100点台、106-110点台となったことから、多くの理系大学院でTOEFL足切りの基準として設定される100点を目安に勉強をしていた人が多いといえます。

同じ母集団に、大学院出願以前の留学経験の有無に関してもアンケートをとりました。

約36%が1年以下、17%が1年以上、11%が1ヶ月以下の留学経験者という全体の6割以上が過去に何らかの留学経験をしているという結果となりました。短期、長期関わらず海外での学生生活の経験が大学院受験を志すきっかけの1つとなっているのかもしれません。一方で全く留学経験が無い人も全体の20%を占めており、この文章を書いている私自身も全く留学経験が無いまま大学院で初めて長期海外生活をすることになりました。留学当初は研究、授業に加えて海外生活での様々な苦労がありましたが、アメリカ大学院の特徴の1つとして世界各国から学位を取りに来る留学生の多さがあります。日本から進学する人数が少なくても、同じように他国からアメリカに留学してきた留学生たちとは多くの苦労を共有してお互いに助け合いました。英語に関しても、留学生の話す第二言語としての英語はネイティブ英語話者のそれと比べて聞き取りやすいということもあり、留学生の友達を沢山作ることが英語力上達の近道とも言えるかもしれません。

 

TOEFLの点数はあくまでも「通過点」です。英語を使いこなし第一線で活躍する自分自身を想像して英語の勉強に励みましょう!