Ph.D.学生の台所事情

『アメリカの大学院では給料がもらえ、勉強しながらお金を稼ぐことができる』
そんな夢のような文句に惹かれアメリカ大学院留学を考え始めた人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際留学を考えた時にまたどうしても考えてしまうのがこのお金の問題。

そこで、今回の記事では、アメリカPh.D.課程に在籍する日本人約100にアンケートを行い、大学院生の台所事情について調査しました。

Ph.D.学生の給料

まず、そもそも本当に給料がもらえるのか?十分生活していけるのかという点について調べました。

大学院生78人のアンケートを集計した結果、97%の学生は奨学金、RA(リサーチアシスタント)、TA(ティーチングアシスタント)などから、勉学に集中しつつ、生活に十分な給料を得られていたことがわかりました。
また、給料に関して調査したところ、大学院生の所得はおおよそ月$2,000 – 3,500程度(中央値は$2,900)であることがわかりました。これは、円に換算すると月20万~35万円程度であり、日本における学振以上の収入がほぼ確約されていることがわかります。

では、大学院生はどのようにして財源を確保しているのでしょうか?
今回のアンケートでは、学内奨学金(返済無)、日本からの奨学金、TA、RAのうち、大学院したのちに該当するものすべて選択してもらいました。日本からの奨学金、RAを財源としている人が3人に2人と最も多いものの、学内奨学金やTAを利用する人も一定数いるという結果になりました。

現在留学している学生の3人に1人は日本からの奨学金をもらわずに生活していますが、多くの場合、RAや学内奨学金をうまく活用することで十分な財源を確保することができます。指導教官の研究費の兼ね合いでRAのポジションが空いていない場合、短期的にティーチングの業務を行うことでTAとして収入を得ることができます。

また、大学院生への調査では、四分の三に近い割合の学生が、入学時から数えて複数の財源を持っていたことがわかりました。安定したRAのポジションがある場合、日本から長期的に奨学金がもらえる場合などでは、一つの財源に依存することが可能です。しかし、多くのケースではRA、TAなどをうまく併用しながら財源を確保している学生が多いようです。

このように、財源を確保するためには、奨学金を申請したり、RA、TAといった形で自分の時間をコミットする必要があります。しかし、それでも勉学や研究に必要な時間を、確保することができ、ほぼ100%生活に必要な収入を得られるという点で、アメリカの大学院は非常に優れています。

この記事では触れませんでしたが、アメリカのPh.D.ではほとんどの場合、学費を払う必要がありません。これは、RA、TA、奨学金などが、生活費だけでなく学費の支払いも含んでいるためです。

今回の100人規模のアンケートでは、米国大学院に所属するPh.D.学生は、奨学金、RA、TAなどを通して、生活に十分な給料がもらえることがわかりました。留学を志している方には勇気が与えられる結果だと思いますが、大学、学部、研究室によって状況は様々だと思いますので、心配な方は、出願期間などに希望する指導教官などに相談することをお勧めします!