【イベントレポート#2-番外編】海外大学院留学後の進路〜皆さまからの質問にお答えしました②

【イベントレポート#2-番外編】
海外大学院留学後の進路〜皆さまからの質問にお答えしました②

こちらの記事の第2弾です!XCEEDでは2020年8月1日にキャリアパネルディスカッションを開催しました(イベントレポート・動画はこちら)。第2弾の今回の記事では、就活時に利用したキャリアサービス、民間とアカデミアでのキャリアの違い、アカデミアへの就職活動についての質問への回答を掲載しました。海外の大学院に留学中の方はもちろん、大学院留学を考えている学部生の皆さまもキャリアプランニングのためにぜひご覧ください。

民間企業の職種の応募に必要な提出書類について教えてください。履歴書や研究実績をまとめたものの他に準備した方が良いものはありますか?

中込さん:大抵はポジションの応募欄に書いてあると思います。基本的にレジュメがあればオーケー。研究職ならGoogleスカラーやResearchGate、Linkedinのアカウントとかはちゃんと作って充実させておいた方がいいです。

麸沢さん:3-4人のReferenceをまとめたファイルがあるとよいです。基本、企業から提出を求められたら提出するという感じですが、Referenceに載せる人にもあらかじめ許可をもらっておかなければならないので、準備しておくとよいと思います。

上原さん:中込さんの回答に加えて、成績表の提出を求められることがたまにあります。あと対面での面接(コロナ前の話です)の時は食事や移動時のレシートをしっかり保管しておかないと、後ほど会社に費用を請求する時に面倒なことになります。

複数のオファーをもらえた場合、条件の交渉はしましたか。コツがあればシェアしていただけると幸いです。

中島さん:私がもらえたオファーはひとつだけでした笑。でも給料とか、グリーンカード費用とか、オフィスには絶対窓が欲しいなどということを交渉しました。交渉相手は将来の同僚なので、あんまり無茶な交渉はしない方が良いかもしれません。でも、お願いしたことはだいたい通りましたよ。

中込さん:マブダチがこんな経験談を記事にしていました。条件の交渉について細かくアドバイスが書かれているので、ぜひご覧ください。

アカデミアへの就活については、客観的な研究成果と推薦状が重要なのだろうとなんとなく想像がつくのですが、民間企業への就活が思い描けません。普段の研究に加えてどのようなスキルを磨いておくと強みになるのでしょうか。

中込さん:コミュ力・コネ。 

宮崎さん:研究成果をプレゼンする・論文を書く等のロジカルに伝える能力は民間企業でもとても重要だと思います。

上原さん:PhDの就活の話ですが、自分の研究の話は民間企業でもアカデミアでも100%どこでも聞かれます。ここは自分が一番自信を持っているところだということをしっかりアピールできるようにしましょう!

麸沢さん:分野によって求められているものが違うと思いますが、ご自分が興味のあるインダストリーのjob postやキャリアフェアに参加してみると、求められるスキルなどが書いてあるので、そこからイメージ、行動しやすくなると思います。

就活の際のインタビューではどのようなことを聞かれましたか?

中島さん:アカデミアだと普通のセミナーとあまり変わりません。でも、これからどんな研究をしたい?5年後の目標は?学生とはどんな研究する?などいろいろ聞かれました。なんと言ったか全く覚えてませんが、とりあえず答えを事前に準備することは大事です。

麸沢さん:インダストリーと国立研究所の面接の場合: 私の場合、Behavioral QuestionとTechnical Questionのどちらかを聞かれることが多かったです。また、現職の場合はTechnical Questionのみでした。Behavioral questionの場合: 同僚とうまくいかないときはどうするか、など。Behavioral Questionの答え方などはYouYubeのキャリアチャンネルなどを見て勉強しました。1日1個はインタビュー動画を見て勉強するようにしていました。Technical Questionの場合: 実験の操作や方法について説明してください、と言われる。Glassdoorというウェブサイトに、実際のインタビューで聞かれた質問が会社や機関ごとに載っているので、インタビュー前に目を通して勉強してからインタビューに臨んでいました。

宮崎さん:(少なくとも生物系は)大学院入試時にSOPを求められたり、キャンパスでのインタビューがあると思いますが、フルタイムのポジションでもそれに似たようなものだと思います。テクニカルな質問に加えて、今まで何やってきたのか、何でこの仕事なのか、等のバックグラウンドについてだと思います。

就活を始めようと思ったのはPhD課程のいつ頃でしょうか?

麸沢さん:私は学位取得の1年半前ほどから就活を始めました。政府機関は募集もあまり多くはないので、企業も視野に入れながらキャリアフェアに参加したり、先輩の話を聞いたりしていました。そこで100ポジション応募して1つ内定という先輩の話を聞いたりしていたので、かなり前から就活の準備はしていましたね。

中島さん:学位取得の半年ほど前にポスドクの仕事が決まっていたので、教授職の就活をそのころに始めました。私はアカデミアの他の世界をまったく知らなかったので、アカデミアに残りたいと思っていました。就活は2年くらいしていました。応募書類は20くらい出し、面接に呼ばれたのは4つほど。そして最終的にオファーを頂いたのが今の大学でした。

就活するに当たり、活用したリソースについて教えてください。大学内外、共に教えてください。

麸沢さん:

大学内では、キャリアフェア(College主催のもの、 Department主催のものの両方)に参加し、どのようなフレーズや言葉を使えば、リクルーターの人に自分(の研究経験など)に興味を持ってもらえるかなどを勉強していました。

キャリアセンターでは、Resume/CV, Cover Letterの添削と電話面接の練習をよくしました。また、電話面接のたびに面接用の部屋を借りていましたね。

大学外では、学会でのキャリアセッションによく参加しました。これは様々なキャリアを持つ方々(アカデミア、インダストリー、政府機関)を集めてそれぞれの経験について聞けるというイベントにも足を運びました。それぞれの分野の長所、短所を包括的に知ることができてとても役立ちましたね。あとはそのイベントではHR(人事)の目につく履歴書の書き方のヒントなどもカバーしていました。

また、

・ひたすらネイティブからの履歴書、カバーレターの添削

・書き方、アピールがうまいと思う履歴書やLinkedInのページ(先輩や教授などのもの)をフォルダーに多く保存してあったので、表現などを参考

といったことにも力を入れていました。

末永さん:受けたいところはかなり絞ってあったので、基本的には志望機関のウェブサイト等を中心に受ける機関・会社について勉強しました。一番初めにCVをつくるときは、大学院のCVの書き方の講座を受けました。

宮崎さんに質問です。アメリカのベンチャーに興味があるのですが、いい会社の見抜き方などあれば教えて頂けないでしょうか?

宮崎さん:その方法があれば、自分も知りたいです(笑)ラボ選びと同様に、良いファウンダー・経営者と自分が思えるところが一番ではないでしょうか。

アメリカPhD学生です。アメリカ のアカデミアに残る場合、5-7年かけてPhD取得を取得後、卒業後2年ポスドク、その後テニュアに向けて5年ほど超競争社会で助教…と考えると気が遠くなります。また日本のアカデミアの方がより早く、より競争がない環境でテニュアを得られる気がするのですが、皆様のお考えをお伺いしてみたいです!

中島さん:私の分野では日本の方が競争よっぽど激しそうです!日本では超優秀な人ばかりなのに仕事の空きは年間数個くらいしか出ないような印象です。 アメリカは場所にこだわらなければ、結構アカデミアの仕事の空きはありますよ。競争社会だけど。日本でも助教はテニュアトラックじゃなかったりするし、かなり大変だと思います。でも、分野によると思いますよ!

麸沢さん:日本の場合、教授が引退しないと准教授から教授になれない場合が多いので(もちろん准教授が独立してPIとしてラボを持っている場合などは違うと思いますが)、その分アメリカは個人主義なので、昇進、研究の面でもそこはやりやすそうだと思います。あとは、研究費もアメリカの方がおそらく競争がかなり熾烈と聞きました。。

中島さんに質問です。私はアカデミアを志望しているのですが、自分の分野で日本人でアメリカのアカデミアで職を得た方が見当たらず、ベンチマークとなるようなキャリアパスが見つかりません。中島さんの教授職獲得までの経緯と、その中で日本人/外国人として苦労した点があれば教えていただきたいです。

中島さん:ぜひその分野での草分け的な存在になってください 🙂 You can do it!! 競争相手は日本人ではなくて応募者全員(国籍不問ーとはいえ US citizen vs non-UC citizenの違いは関係あることも)です。もし質問者さんがすでにPhD課程に入られているようでしたら、国籍に関わらずぜひ大学の先輩をロールモデルとしてください。日本人が居ない分野なら、皆からよく覚えてもらえるかもしれません。教授職にはとにかくアプライしました。英語が下手なので、インタビューのときに弱々しく見えたら嫌だなとは思いましたが、何とかなりました。グリーンカードが獲得できるまではVISA関係のストレスが絶えませんでした。

中島さんに質問です。PhD卒業から助教授の職の獲得まで(ポスドクの期間)2年というのは理系としては非常に短いと思うのですが、これは中島さんの分野では普通の短さでしょうか?ポスドクの期間を延長して、実績をより重ねてからポストにアプライすることも考えましたか?

中島さん:実際にオファーを頂いたのはポスドクを始めてから1年ちょっとくらいだったのですが、その後すぐには移らず1年半ポスドクをしてから異動しました。ポスドク期間は人と分野によるのでなんとも言えませんが、私は短かい方だと思います。

次の仕事先が見つからない状態でポスドクをやるのは精神的に結構辛く、これが長く続くようならアカデミアにいるのをやめようかなと思ってました。実績がそんなになくても、ポテンシャルで取ってくれる場合もあるのでアプライは早めに始めた方がいいと思いますよ。

国立研究所、アカデミア、民間でCVや推薦書など力を入れる書類の差はありますか。また書き方で工夫したこと、注意すべきことはありますか。

麸沢さん:国立研究所の場合: 力を入れる書類は絶対的に履歴書(またはCV)です。推薦書なども大事ですが、CVで募集要項で求められているものと自分の研究経歴がどれだけ近いかをアピールすることが大事です。(まず求められている研究スキルなどがなければいい候補者にはなれないためです)

上原さん:民間で推薦状が必要なことはあまり無いと思いますが、Resume/CVに加えて、Reference Listの提出は、民間企業の場合でも提出する必要がありました。Reference Listとは、自分の仕事や研究の能力を話してくれる人のリストのことです。指導教官やインターン先の上司や同僚に頼むのが一般的です。カバーレターもしっかり書きましょう。

中島さん:推薦状は非常に重要です。良い推薦状を書いてもらえる場合はCVも良いものになっていると思います。アカデミアしかアプライしたことがないので応募先による違いはわかりません。

中島さんに質問です。民間企業に1,2年勤めたのちにアカデミアへ移籍した知り合いの方がいるとおっしゃっていましたが、民間企業へ就職する時点でアカデミアのオファーをもらっていたかどうかもしご存知であればお教えいただけると幸いです

中島さん:詳しくは存じ上げませんが、おそらくオファーはなかったかと。でも、気が向いたら戻ってきてねーと言われていた人は知っています。周りの方々とのより良い関係の構築は大事です!

2020年8月1日に開催されたキャリアパネルディスカッションの記事は以上となります。就職活動中や準備中の皆さん、就職活動は孤独との戦いですが、学内のキャリアリソースや教授や先輩、後輩、友人などのサポートを得て、無事に納得のいくポジションに就けるよう、頑張っていきましょう!海外大学院への進学を考えている皆さんはこのようなイベントを通し、留学後の将来についてぜひ考えてみてくださいね。

XPLANEでは今後もキャリア関連のイベントを続々と開催を予定しております。最新のイベント情報の確認、また「こんなイベントを開催してほしい!」などのリクエストはXPLANEのslackまたはTwitterからお願いします!