【イベントレポート #4】出願前の質問に答えます!大学院受験生交流会 in 2020 秋

【イベントレポート#4】出願前の質問に答えます!大学院受験生交流会 in 2020 秋

大学院出願シーズン真っ只中ですね。海外大学院への進学を目指している受験生の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。TOEFLやGREの受験やSoPの執筆などに忙しい日々を過ごされているのではないかと思います。

XPLANEでは2020年10月17日に受験生交流会を開催しました!今回は自然科学、人文社会科学、CS・ロボティクス、航空宇宙工学の4つのジャンルに分かれ、総勢43名の現役海外大学院生や留学経験者、そして受験生の皆さんが集まりました。

今回の記事では、イベント中に受験生の皆さんから寄せられた質問に海外大学院生の現役生・卒業生の皆さんにお答えしていただきました。イベントに参加した受験生はもちろん、参加できなかった方もぜひこの機会に海外大学院留学経験者からのリアルなアドバイスを参考にしてみてくださいね。

海外大学院受験一般

Question: 合格する可能性を高めるためにはどうすれば良いでしょうか。他の出願者のバックグラウンド、研究業績が必ず必要なのでしょうか?

  • 合格するかは(アメリカの場合)総合的な要素(本人の研究経験、業績だけでなくSoP、推薦状など)で決まるので一概には言えないです。ただ自分の周りは研究所でのインターンなどを経験しているアメリカ人学生は多かった印象があります。研究経験の観点で言えば、日本の大学では卒業研究が課される大学が多いのでその点で多少のアドバンテージがあると思います。成績ではあまり差がつかないかもしれません。
  • 基本的に大学院に合格するアメリカ人学生はみんな成績優秀です。卒業時の成績が上位15%程度かそれ以上の人が多いです。標準試験はTOEFLも含めて足切りに使われている印象です(ただし学科や分野によって違う可能性があります)。また、最近の動きとして、GREを要求しないする動きも出てきていますので、各大学の最新の受験要件を確認してください。理由の一つは研究のポテンシャルをGREでは必ずしも測れないためだと思われます。(自然科学分野専攻、北米PhD卒)

推薦状 (Letter of recommendation; LoR)

Question: 推薦状を誰に書いてもらうのがいいですか?(自分のことを良く知っている人vs権威のある人)

  • 研究室の指導教官や授業でお世話になった(かつ推薦者をよく知っている)教官に頼むことが多いと思います。推薦状について補足をしますと、私の聞いた範囲(加えて参考文献の教授も書かれています)では「推薦者は基本的に褒められるところだけ褒める」というスタンスで推薦状を書く事が基本のようです(詳しい事情は参考文献を参照)。推薦状は推薦者の信頼にも関わるので、(アメリカの大学院システムを知っている教授は)安易に褒めるよりは具体的に褒められることを書くという印象です。人によってもちろん違う可能性はあります。 (自然科学分野専攻、北米PhD卒)
  • 推薦状はどのようなプロジェクトでどのような成果を挙げたのか、授業で何回オフィスアワーに行ったかなど、具体的な数値を示してもらうことがとても大事です。(人文社会科学分野専攻、北米PhD課程)
  • 自分のことを良く知っている人 and 多面的に見てもらうために他機関の研究者(「人」から書き換えOK?)から推薦状を書いていただきました。あまりにも自分のことを知らない人だと何かあった時(推薦状についての質問等)に自信をもって返信してもらえるか微妙です。(ロボティクス専攻、北米PhD課程)
  • 一番重視したのは自分との距離が近い方。最低限面識のある方から順番にLoRを書いてもらい、自分のことを(具体的に?)書いてもらうと良い推薦状と評価される場合もあります。(コンピューターサイエンス専攻、北米PhD課程)
  • 同じ大学院から3通いただきましたが、裏を返せば1通目、2通目の推薦状がよければ3通目のクオリティはあまり気にしないのかもしれません。(ロボティクス専攻、北米PhD課程)

Statement of Purpose (SoP)

Question: SoPいつ頃からどのくらいの期間かけて書きましたか。

  • 私の場合は書類が2月末〆切だったので奨学金が落ち着いた11月くらいから本格的に初めて、友達>先輩>先生という順番で添削をお願いし(それぞれ複数名)最終版としました。(自然科学分野専攻、欧州MSc課程)
  • 私の場合は10月頃からドラフトを書き始めて、添削(サポート会社)を使ってSkype Meetingをしながら修正をしていき、最終版を完成させました。ドラフトの修正はあくまで受験者の研究志望、内容、そして経験を尊重した形で修正をしたので、振り返れば、XPLANEで運営されているSoP執筆支援のスタンスに近かったです。 (自然科学分野専攻、北米PhD卒)

Question: SoPの締めの段落をどのようにするのがベストだと思いますか。

  • 締めはあまり気にしなくてもいいのではないでしょうか? それまでの段落の内容を充実させることが大事です。最初に自分がやりたい研究内容をビシッと書くことが重要です。(人文社会科学分野専攻、北米PhD課程)
  • SoPを読んでいてひとつのストーリーになっていればOKです。テンプレートを気にしなくても大丈夫です。(心理学専攻、欧州PhD課程)

出願校の数

Question: 出願校の数・プログラムをどれぐらい受けたらいいのでしょうか?沢山受ける場合、推薦状は教授の負担にならないものでしょうか?

  • 教授に推薦状の執筆をお願いするのが気が引けるかもしれませんが、リスク分散のために出願校を十分に多く受けたほうがいいと思います。合否が教授個人に依存する博士課程のプログラムの場合は特に。(コンピューターサイエンス専攻、シンガポールMaster of Information Technology卒)
  • 推薦状の作成は教授の負担になる可能性はありますが、推薦状の下書きや出願校の情報をまとめたリストを教授に共有するという方法もあります。(ロボティクス専攻、北米PhD課程)

奨学金の応募や面接について

Question: 奨学金の面接で気をつけたことを教えてください。

  • 面接官は自分と専門が異なるので、分野外の人にも分かるように自分の研究内容の説明をすることを心がけました。。また、面接官に自分の研究を印象付けるよう、キャッチーなタイトルや応用例を用いました。 (自然科学分野専攻、北米PhD課程)

Question: 奨学金の面接で何を聞かれましたか?

  • 提出した書類を元に、研究手段、最終的に何をしたいか、何故アメリカなのかなどを聞かれました。(ロボティクス専攻、北米PhD課程)
  • 自分が書類で何を書いたのかを、面接本番までに見返しておく必要はあるでしょう。(コンピューターサイエンス専攻、北米PhD課程)

Question: 大学院の進学先の決定前に奨学金の応募をしましたか?

  • 奨学金取得を前提として大学院受験をしたので、最終的な大学院決定をする前にどんどん奨学金を受けました。 (コンピューターサイエンス専攻、北米PhD課程)

Question: 2年の奨学金受給終了後に留学資金はどうする予定ですか?

  • 財団によっては、2年後も奨学金支給の延長してくれるところもあります。(コンピューターサイエンス専攻、北米PhD課程)
  • 他の財団に応募して奨学金を別に受けるか、RA(Research Assistant)やTA(Teaching Assistant)などをして、大学にサポートしてもらうという方法が考えられるでしょう。(コンピューターサイエンス専攻、北米PhD課程)

コネクションについて

Question: 海外博士課程進学は、コネクションで決まることが多いイメージです。そのために修士から行く人が多いのでしょうか?

  • 私は現在の修士課程でお世話になっている指導教官から博士課程の推薦をいただいていますが、大学や国によって状況は違うでしょう。私が現在滞在している欧州の国で出会った日本人の博士課程の学生は、みんな博士課程からこちらに来ています。コネクションがない人は、奨学金をとってきている人がほとんどですね。奨学金が有利に働くのは他の国の博士課程と同様かもしれません。(自然科学分野専攻、欧州MSc課程)
  • ネットワーキングをするときに、「自分がどのように研究室に貢献できるか」を具体的に伝えられると印象が良いです。 (航空宇宙工学専攻、北米PhD卒)
  • オンラインの研究室ミーティングに参加してみるというのは、ネットワーキングをする上でハードルは低いのではないかと思います。。もちろん事前に研究室のリサーチはちゃんとしてから参加しましょう。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)
  • 教授だけでなく、研究室に所属する博士課程の院生に直接コンタクトを取ってみるのもアリです。 (航空宇宙工学専攻、北米PhD卒)

編集部補足:コネクションやネットワーキングは大学院に進学するにあたってはもちろん、就職の際にもとても重要なものです。コネクションを作るのは簡単なことではありません。相手がどんなことに興味を持っているのかや研究内容を聞いたり、また自分ができることは何なのかを示しながらプロフェッショナルな関係を築いていくスキルや能力が求められます。簡単に言えば、身近なクラスメイトや教授とより良い関係を持つこともネットワーキングになるのです。身近なご縁を大切にしながら、様々な場面でネットワーキングを頑張ってください。

海外大学院での研究について

Question: 2つの異なる研究内容・研究室を掛け持ちしている事例は聞いたことありますか?

  • Co-advisorという形で複数の先生に面倒を見てもらっている例はあります。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)
  • 複数掛け持っている例はなくはないが、大変そうです。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)
  • Co-advisorでも異なる分野、ということは少なく、理論・応用のように互いに補完するような専門であることが多いですね。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)
  • 全く異なる研究に手を付けようとすると、RA(資金)を出している教授に嫌がられることは考えられます。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)

留学先での生活について

Question: ホームシックをどう乗り切ればいいでしょうか?

  • 大学のオリエンテーションでも触れられることが多いですが、慣れてきた頃にホームシックを感じることは多々あります。ただし、留学先の天候や環境に依存する部分もあります。(自然科学分野専攻、北米PhD課程)
  • 研究グループメンバーや指導教官が良いおかげであまりホームシックは感じていません。慣れてきてからはこちらもホーム感があります。(自然科学分野専攻、欧州MSc課程)
  • 個人的な意見ですが、留学をしてしばらく経過し、例えば日本から留学先に戻ったときに、落ち着くなと感じたら、ホーム感が出てきた証拠ではないかと考えています。(自然科学分野専攻、北米PhD卒)
  • 人による(独り暮らしをしたことあるかとか留学初めてかとか)と思いますが、留学生とか現地の日本人同士で気持ちや生活情報を共有できると良いかもしれません。幸い、アメリカの文化やコミュニケーションには早くから馴染めたので、あまりホームシックは感じませんでした。ただし漠然と不安になる時期はあったので、その場合は大学のカウンセリングを上手に活用し、誰かと話す機会を意識的に設けました。日本人コミュニティがある場合はそちらもよい共有の機会にはなると思います。(自然科学分野専攻、北米PhD卒)

編集部補足:アメリカに限った話になってしまいますが、大学がスポンサーしている留学生保険の多くではカウンセリングなどのメンタルヘルスもカバーされます。「ちょっと研究がしんどいな」「ホームシックで寂しい」などと心の調子の悪さを感じることがあれば、大学のカウンセリングオフィスに行くことも大学院生活をサバイブしていく上でとても重要なことです。

Question: 新型コロナウイルスの不安について思うことはありますか?

  • 国や州によって大きく状況が異なります。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)
  • マスメディアを通して手に入る情報よりも、現地に住んでいる人から直接情報を聞く方がよいです。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)
  • 住環境の不安、治安で留学先を選びましたか?特にアメリカで身の危険を感じたことはありますか?
  • 住環境を事前にリサーチするのは重要です。合格・入学しても環境が合わなくて途中で留学をやめてしまう例もあります。 (航空宇宙工学専攻、北米PhD卒)
  • 都市・地区によって大きく異なるので、治安マップを参照するとよいです。治安マップは各都市の地元警察のホームページなどで見つかることが多いです。日本よりも都市の中での安全なところとそうでないところがはっきりしているので、知識があればリスクは回避しやすいです。(航空宇宙工学専攻、北米PhD課程)

主催者からのコメント

受験生交流会を主催させていただいた九州大学工学部四年生の近藤耕太です。私も現在は受験生として海外大学院進学を目指しています。受験準備にあたる中で留学の先輩方から受験や留学生活に関するお話を伺うことや、受験生同士の繋がりの大切さを感じ、このイベントを企画しました。

受験準備真っ最中でのイベントの企画準備は大変でしたが、おかげで先輩方や受験生と繋がりを作ることができ、自身としては大変満足しています。交流会に来てくださった受験生も有益な情報を手に入れられたり、先輩方と繋がりを構築することが出来たのではないかと思います。

皆さんのおかげで本当に楽しい交流会となりました。そして、このような機会をくださったXPLANEには大変感謝しています。交流会で出来た受験仲間と最後まで出願準備に取り組みたいと思います!

参考文献
[1] 是永淳, (2019), できる研究者になるための留学術 アメリカ大学院留学のススメ, 講談社

本イベントはXPLANEが運営するオンラインコミュニティ「XPLANE slack community」内で行われました。今後もXPLANEでは海外大学院に出願予定の受験生の方々を対象としたイベントやワークショップなどを開催していく予定です。今後の情報は、XPLANEのslackTwitterなどからチェックしてみてください!