GRE

GRE

1. GREとは??

GRE (Graduate Record Examination)とは、ETSが主催する大学院出願用の共通試験です。近年では、大学院という研究者の卵を育成する機関への入学審査における画一的なテストによる能力測定に疑問を呈する声が出ているものの(元記事はこちら)、現段階ではほとんどの大学院のプログラムで出願時に提出することが求められます。(Bio/Bio Medical系でGREを必要としない大学院リスト

GREは大きくgeneralsubjectの2つに大別され、GRE generalはverbal reasoning、quantitative reasoning、analytical writingの3部門で構成されています。一方subjectはbiology、chemistry、literature、math、physics、psychologyの6科目があります。ほとんどのプログラムではGRE generalのスコア提出が義務付けられており、GRE subjectのスコア提出を求められる場合は各大学・学部によって必要な科目が異なります。いずれにせよGREは共通テストであり、数値として受験者を評価する客観的指標となります。

また、GPAとは異なり出願直前でも勉強して点数を上げられる可能性があるため、その他の出願書類で弱い部分がある場合はGREで高得点を取って補うことができます。しかし、GREの点数を志望大学院・研究室がどのように評価するかはその大学や教授の人材評価のスタイルに強く依存するので注意が必要です。アメリカではテスト以外の指標を重要視する傾向が強く、エッセイや推薦状などの他書類が評価されればGREの点数が低くても合格できる可能性が大いにあります。それとは逆に、GREの点数が飛び抜けていても、その他の書類の出来によっては不合格となる場合があります。GREの勉強に注力することはもちろん重要ですが、その他の書類準備にかける労力とのバランスを意識しましょう。理想としては、冬の出願締め切りから逆算してその年の秋前に勉強をある程度終えてテストを受けられるとよいかと思います。

GREを受験する上で気をつけたいことが、「テストの開催時期」です。GRE generalは主要都市で通年開催されているのですが、GRE subjectは受けるタイミングが年3回(4月、9月、10月)しかない上に、開催されている都市が日本では福岡と沖縄のみになります。また、いずれの会場(特に福岡会場)もキャパシティが小さいため、応募が始まってすぐに定員が埋まり受付が締め切られることがあります。応募時期(テストが行われる4月、9月、10月のそれぞれ2カ月前頃)が近づいてきたら頻繁にホームページをチェックするようにしましょう。

2. GRE generalの攻略

GRE generalでは、英語読解能力 (V:verbal reasoning)、数学 (Q:quantitative reasoning)、文章力 (AW:analytical writing) の3つの科目を課されます。V、Qは共に130-170点、AWは0-6点で0.5点刻みで評価されます。全体の詳しい統計は公式HPで確認できますが、V、Qはいずれも平均点が約150点、AWは3.5点となっています。ここでは、日本人留学生がどの程度のスコアをとって大学院受験に挑戦したのかをまとめたデータを見ながら各項目を解説していきます。

V (verbal reasoning) は主に単語力・読解能力が試され、英語を母国語とする人であっても苦戦するほどの難易度だと知られています。TOEFLなどと比較して求められる語彙力のレベルが高くなるため、Vの点数を上げるためには長期的な試験対策を練る必要があります。下記のグラフにまとめられた日本人留学生に取ったアンケート結果を見ると、留学に成功している学生の内ほぼ半数が受験者全体の平均点(150点)を満たしていなかったことがわかります。英語を母国語として使っていないハンデがあるということは審査をする側も考慮しているので、満点を目指す必要はなく150点を一つの目安として勉強すると良いでしょう。公開されているサンプル問題をまず解いてみて試験のレベルを理解した後、語彙力アップをベースに勉強することが基本的な対策方法です。受験までほとんど時間がないという場合、過去問を何度か解いて出題方法、解く順番、時間配分に慣れる、といった最低限の準備をしておいてください。その上で頻出単語を可能な限りカバーしていきましょう。

その一方で、Q (quantitative reasoning) は高校生レベルの問題となっていて、日本の大学で理系の道に進んだ学生にとっては非常に簡単な問題設定となっています。文系であっても大学受験で数学を勉強した場合であれば十分に高得点が狙える内容です。Vのように何とか平均点を狙う、といった対策ではなく、Qではいかにミスをしないかが重要なポイントです。日本人受験者として特に大切なのは、英語で書かれた数学問題を正しく理解できるかどうかです。問題によっては数式表記がなく英文だけの場合もあり、図形、統計などに関する英語表記の知識が必要となります。内容が簡単であるからこそ、実際に受験する前に模擬テストで何度も練習を繰り返しミスをなくす努力をすることが大切です。日本人留学生へのアンケート結果によると、Vとは大きく異なりQに関してはほとんどの人が160点以上の高得点を取っています。満点を狙いましょう!

AW (analytical writing) は、30分のエッセイを2つ課されその出来によって0-6点で評価されます。受験者全体の平均点は3.5点程度で、日本人留学生でも3.0-3.5点を取った人の割合が一番高くなっています。クリティカルシンキング能力、分析力、英語での表現力は一朝一夕には身に着けることは困難です。短期間での対策としては、公式HPで求められている能力を理解し、回答サンプルのパターンをマネすることです。30分という短時間で問題を分析し、主張を組み立て、英語で説明するという作業を行う必要があり、初めのうちは「時間が足りない!」となることがほとんどです。そういった場合、自分の主張をするための論理展開の必勝パターンをいくつか持っておくと、英語のライティングの作業に時間を割くことができます。練習問題をたくさん解いて、高得点を取れる思考プロセスをパターン化しておきましょう。

3. GRE subjectの攻略

GRE subjectに関しては日本語で解説している試験対策情報が少なく、基本的にはETSの公式HP、もしくは英語のブログ・掲示板などを参考に勉強するのが良い方法です。特に英語のブログでは、試験対策のドキュメントがまとめられていることもあるので各分野で探してみましょう。GRE subjectはbiology、chemistry、literature、math、physics、psychologyそれぞれで200-990点のテストが課され、一般的には専攻に応じて出願校側が指定する科目を受ける必要があります。GRE generalとは違いテストを受けることができる時期が限られており、さらに日本会場では受けられる定員が少ないため、大学院留学挑戦をすると決めたら早い段階から準備をしてください。それぞれのテストの平均点と分散はこちらで公開されています。日本の大学院入試と異なり、記述式の問題をじっくり考えるというものではなく、センター試験のように、比較的簡単な問題をスピーディに解くという形式になっています。

subjectのテストは科目によって少々異なりますが、ここではphysicsを例に挙げて解説していきます。GRE subjectの受験において気をつけるべき点はペース配分未習分野の2つです。

Physicsでは3時間弱で約100問が課せられ、ハイペースでの処理が求められます。さらに問題の難易度別に設問が分けられてる訳ではないため、難しい問題に当たった時にそれを一度飛ばして後回しにするのか、それとも時間をかけて解き切るのか、という判断が必要です。問題を解くペースの目安として、「30分で20問解き切る」というのを基準にするとよいでしょう。たとえ引っ掛かった問題がいくつかあっても30分経ったら次の20問に取り掛かるようにすれば、2時間半で全ての問題に目を通すことになります。そこから残りの時間を用いて、自信の無い問題や答えの見直しをしていくというイメージです。このペースに慣れるために過去問で何度も練習しましょう。

もう1つの気をつけるべき点として、未習分野から出題される可能性があるということです。高得点を狙う場合、未習分野が一つあるだけでかなりの設問を落としてしまうため、テストを受けるある程度前から出題される分野を把握しておきましょう。また、未習分野でなくても忘れてしまった分野や理解の浅い領域がある場合は同様に勉強する必要があります。ある程度自信がある分野であれば、練習テストを受けて間違えた問題を見直す程度で十分だと思います。どの分野も満遍なく勉強して、本番でどんな問題が出ても対応できるようにしておきましょう。

Physicsの場合だと、GREで900点以上取った人は掲示板で「900 club」と自称しており、受験者の中でトップ集団とみなされています。Physicsは近年易化傾向にあるものの、各分野で900点以上取ることはしっかり対策を練り勉強してきた証なので、まずはこれを目標に頑張りましょう。ただし海外大学院受験はエッセイや推薦状を含めた様々な出願書類を用いて総合的に評価される仕組みであり、GRE subjectの900点にこだわる必要は全くありません。その他の書類準備とのバランスを考えながら、着実に点数を伸ばしていきましょう。